漫画家ラズウェル細木さん(米沢市出身・S50卒)の代表作といえば、読めば飲みたくなる「酒のほそ道」だろう。30年前から続く連載だが、先に世に出た漫画があるのを最近知った。育児経験を基にした「パパのココロ」だ。
連載開始は1992年。単行本の前書きには「子どもの世話は母親の役目などと、いつ誰が決めた」とある。ラズウェルさんは飲んべえである前に「イクメン」の先達だったのだ。仕事をしながら娘のかぼちゃんを育てて感じた葛藤や困惑、そして喜びが描かれていた。
イヤイヤ期の接し方や片付かない家の中…。幼子2人を抱えるわが身としては苦労話に共感することしきり。ラズウェルさんは近著で、子育ての大変さについて「自分だけじゃないんだと感じられることが重要」と語っている。まさにそんな思いがして少し気が楽になった。
男性社員が育児の悩みを共有しあう『部活』を都内企業が立ち上げた。本紙が先日伝えていた。いわばパパ友づくりの場。女性と同様、家庭と仕事の両立に悩む男性も当然いる。長時間労働が続いた父親が「産後うつ」になるケースさえある。頑張るパパにも気を配りたい。
2024年11月14日山形新聞より