自身が手がけたオートクチュールバッグを手にする紺野ゆかりさん(S60卒)=川西町上小松

オートクチュール(一点物)のバッグ制作に取り組んでいる川西町上小松、米沢中央校教諭紺野ゆかりさん(57・S60卒)が22日から世界遺産・法隆寺(奈良県)で始まる「法隆寺芸術祭2024」に自身の作品「鳳凰、今 甦る」などを出品する。今年は法隆寺の世界遺産登録30年と、聖徳太子生誕1450年の大きな節目。実行委員会からの依頼を受けての出品だ。

華やか着物地クジャクの羽・鳳凰モチーフ新作など3点

紺野さんは英語教師として勤務する傍ら、49歳からバッグ制作を始めた。大学時代には海外留学し、それ以降、各国をバックパッカーとして旅してきた。作品には、着物や帯の生地、貝殻、サンゴ、天然石、ビーズといった素材を用い、多様性を表現。紺野さんは英国王立美術家協会名誉会員にもなっている。

「鳳凰、今 甦る」

今回の出品は3点。法隆寺金色堂にあしらわれている伝説の霊鳥・鳳凰をモチーフに新作を手掛け、華やかな着物の生地とクジャクの羽などを組み合わせた。ほかの2点は自身が制作したバッグをリメークした。聖徳太子が派遣した遣隋使や、派遣先の中国から欧州へとつながるシルクロードから着想し、大陸文化をイメージした華やかなボタン、船が往来する海にちなんだ、深い青色などが特徴の2点を仕上げた。

芸術祭の図録に作品が掲載される代表作家の1人にも選ばれた紺野さん。「法隆寺の歴史などを踏まえ、ロマンあふれる物語をバッグに込めた。世界のさまざまな文化に触れた自分らしい作品を、多くの人に鑑賞してもらいたい」と話している。展示は24日まで。

2024年11月22日山形新聞より