ディーゼルエンジン式の列車を電化し、架線のないフラワー長井線を走らせる実証実験のキックオフ式典が9日、長井市役所で開かれた。ジェットコネクト(同市、重田英貴社長)を代表とする3社が3年計画で進める環境省の委託事業。運行する山形鉄道や市などの関係者が技術開発に協力することを確認した。
実証実験ではエンジンなどの駆動部(約2.5トン)を同じ重量のモーターや蓄電池などに載せ替え、重電には地元の再生可能エネルギーや、電車屋根に設置する太陽光パネルで発電する電力を併用する。老朽化車両の再活用や運行・維持管理経費の削減、環境負荷の軽減の効果を見込む。25年度に車両試作、26年にテスト走行を予定する。
式には協力事業者など約20人が出席。内谷重治市長、中井晃山形鉄道社長(S48卒)と事業に関する協定書に調印し、重田社長は「長井線はトンネルがなく、太陽光発電を生かした実証に向いている。この地で新技術を確立し、世界に展開したい」と話した。中井社長は環境への配慮が長井線の魅力向上につながることも期待し、将来的な選択肢として導入を検討したいとしている。
2024年12月10日山形新聞より