米沢藩を立て直した9代藩主上杉鷹山の精神に学び、自ら未来を切り開こうという「自力本願の地 米沢」プロジェクトが始動した。第1弾として、市内企業や観光関係者が推進協議会をつくり、鷹山の精神を学ぶことができる企業研修や教育旅行の商品開発を進めている。
第1弾 研修、教育旅行を計画
白子神社を参拝するモニターツアーの参加者。上杉鷹山の精神に学ぼうというプロジェクトが始動した。=11月、米沢市 米沢を「なさねば成らぬ」の精神が今も息づき、人生で大切なことを学べる土地と捉え、発信しようという試みだ。印刷業の川島印刷(同市、川島良範社長・H6卒)が協議会の事務局を務め、市内の観光関係者が参加している。
11月に「自分に誓う旅」と銘打った1泊2日のモニターツアーを実施し、県外の大手メーカーの社員ら6人が研修旅行で訪れた。上杉博物館で鷹山について知識を得た後、上杉伯爵邸で遠山かぶやコイなど伝統食材を使った料理を味わった。米沢織や日本酒製造を手がける会社で経営者の話を聞き、旅程の最後に、鷹山が誓詞を納め、財政再建を祈願したとされる白子神社で、それぞれの決意を紙の絵馬にしたためた。
参加者からは「鷹山の思想が現代の米沢の企業にも根付いており、学びが多い」など高評価だったという。参加者の意見を踏まえて詳細を詰め、1月末からの販売を予定しており、今後、ツアーガイドも養成する。
川島社長(49)は「米沢の地に根付く鷹山公の精神性を発信していきたい。つらい状況でも諦めず、前を向いて進むという姿勢は、今のような困難な時代に強いメッセージになるのではないか」と話している。
2024年12月15日山形新聞より