風刺漫画など建築家伊東忠太の多彩さに触れることができる企画展=山形市・県立美術館 米沢市出身の建築家伊東忠太(1867~1954年)を取り上げる企画展が山形市の県立図書館で開かれている。著名な建築物を設計した一方、妖怪や化け物を好み、随筆家などの顔を持つ伊東。世相を映した自作の風刺漫画や手紙、絵画などを通じ、多才さに触れることができる。15日まで。
伊東は寺社建築の第一人者で築地本願寺(東京)や上杉神社(米沢市)などを手がけた。建築物の装飾に妖怪を思わせる造形を取り入れたほか、雑誌などに絵や随想を発表し、風刺漫画なども残した。
展示は没後70年の企画。同館所蔵品で、風刺漫画をまとめた「阿修羅帖」は化け物や力士をユーモラスに描いたイラストと文章で国際関係などを風刺している。愛用の巻き尺や虫眼鏡、化け物を描いた水彩戯画、直筆の手紙なども並ぶ。愛好家でつくる「伊東忠太の会」の山下敦代表(米沢市・S50卒)が収集した品として、伊東が取り上げられた雑誌や、故郷の仲間と結成した「米沢有為会」の資料を展示した。
9日にイベント
9日には同館が入る遊学館で伊東の魅力に触れるイベントを開く。山下代表が講演するほか、山形テレビが2005年に制作したドキュメンタリーを放映し、当時のディレクター庄司勉さん(山形市)が解説する。定員100名で申し込みが必要。問い合わせは県立図書館023(631)2523。
2025年2月6日山形新聞より