2023年3月に閉校した米沢市の旧三沢東部小を拠点にした地域振興に向けた取り組みが進んでいる。地元住民らが本年度、一般社団法人「米沢みさわ小学校」(遠藤泰久代表・S51卒)を立ち上げて校舎を宿泊施設として活用し、子どもたちが参加する合宿イベントなどの会場として有効活用につなげている。
宿泊機能などを整備した旧三沢東部小の内部=米沢市簗沢 5月本格オープンめざしにぎわい創出へ「地元一丸」
地域から小学校がなくなることを惜しむ声が上がり、地元有志が利活用策を検討。民間企業からの善意を受け、校舎部分にプライベート空間が確保できる宿泊スペース、衣類の洗濯機能などを備える研修・宿泊施設として復活させた。豊かな自然環境に囲まれ、徒歩圏内に小野川温泉があることも魅力の一つ。昨年7月には国内外の子どもたちが参加する「国際キャンプ」のメイン会場にもなり、参加した数十人が1カ月ほど滞在した。
地元の三沢コミュニティセンターで管理運営委員長を務める遠藤代表(67)、同センター長の鈴木衛館長(64)ら地元住民が運営に参加し、同市おしょうしな地域おこし協力の谷山紀佳さん(26)、地域活性化などを手がける株式会社「つなぐ」の伊藤夢人代表取締役(39)らも活動に携わっている。
現在、クラウドファンディングで調達した資金を基に、防犯設備の強化や廊下の照明設備の拡充、校庭でのたき火を楽しむスペースの新設、ウェブサイト制作などを計画している。今年5月をめどに、本格的に宿泊客を受け入れるための「地域体験型宿泊所」としてのオープンを目指す。
遠藤代表は「滞在に必要な機能を充実させていくことは、外から人を呼び込むにぎわい創出だけでなく、避難所として活用できることにもなり、防災面でも有意義」とし「思い入れのある学校。地域のためになる拠点施設として地元一丸で運営していきたい」と話している。
2025年2月22日山形新聞より