米沢市の米沢五中(田畑広志校長)の生徒が3月、アマチュア無線を使って国際宇宙ステーション(ISS)との交信に挑戦する。県内では初めての試み。本番に向け、米沢アマチュア無線クラブの有志で組織する米沢スクールコンタクト実行委員会(玉橋博幸代表・S48卒)が協力し、準備を進めている。同校は来月で閉校することが決まっており、玉橋代表らが「最後にこの校舎での思い出をつくってほしい」と企画した。

結団式で生徒に交信手順などを説明する玉橋博幸代表(S48卒・右)=米沢市・米沢五中

ISS通過時「一生に一度の機会」

子どもたちとの交信は米国航空宇宙局(NASA)の教育プログラムの一環で、同校では1~3年生計15人が参加する。無線捜査のボランティアが関わることが条件となっていたため、同クラブがサポート役を買って出た。

校舎にアンテナと無線設備を設置し、ISSが上空を通過する約10分間、飛行士と交信できる。交信はすべて英語で、一問一答形式で行われる。同校の交信日はまだ決まっていないが、来月26~28日の午後7時40分から同8時半の間になる予定という。

同12日にISSへ出発する、日本人飛行士の大西卓哉さんが対応する可能性もあるとし、既に生徒が質問を考えており、勤務時間以外の過ごし方▽ISSのトイレ事情▽飛行士になるために必要な訓練は何か―などを尋ねるとしている。

結団式が18日、同校で行われ、玉橋代表らが交信手順などについて説明した。今後、生徒は事前学習を行い、無線の扱い方やISSについて理解を深める。1年斎藤楽我さん(13)は「一生に一度の機会だと思い、迷わず応募した。英語をもっと頑張りたい」と意気込みを語った。

2025年2月25日山形新聞より