2024年に開館30周年を迎えた川西町フレンドリープラザは、記念事業の一つとして、1994年8月から昨年末まで同プラザで催された公演などの記録を一冊にまとめた。冊子は、プラザの活動を支えてきた会員組織の名称を冠して「PLA's(プラス)公演記録集」と銘打った。同館の栗田政弘館長(S48卒)は「30年の思い出が詰まった一冊。プラザの歩みを多くの人に知ってもらう大切な資料ができた」とした。

公演の情報が記載された冊子の中身

同プラザ内の劇場、町立図書館、遅筆堂文庫で開催した公演などを年表形式で開催した。最初に収録されているのは、94年8月1日、同町出身の作家・劇作家井上ひさしさん(1934~2010年)による開館記念の講演会で「開館記念 井上ひさし講演会『これまでとこれから』 出演者等 井上ひさし」などと記されている。

掲載している情報は、開催日やタイトル、出演者など簡潔な内容。それでも、栗田館長は「ページをめくってみると、いくつもの思い出深い公演と巡り合う。わずか一行に、関わった人たちの思いや苦労が詰まっている」と感慨を込める。「30年間、欠かさずに情報を入力し続けてきた歴代担当者もさすが」と笑顔を見せた。

「PLA's公演記録集」を手にする栗田政弘館長(S48卒)=米沢市

表紙の絵は、町交流館あいばるの壁画制作などで同町とゆかりのある画家・出射(いでい)茂さん(千葉県)が手がけ、同プラザの外観や井上さんの姿などをコラージュして仕上げた。

冊子は700部製作し、関係者や文化施設に500部を贈った。残り200部は井上さんをしのぶ文学忌「吉里吉里忌」に合わせ、20日から同プラザで販売する。販売価格は500円で、郵送も受け付ける。問い合わせは同プラザ0238(46)3311。

2025年4月12日山形新聞より