「地球の日」合わせ発売・持続可能性向上に挑戦
酒蔵の小嶋総本店(米沢市、小嶋健市郎社長・H11卒)は4月22日の「アースデー(地球の日)」に合わせ、自動抑草ロボット「アイガモロボ」により栽培した農薬不使用の酒米を使った純米酒「東光AIGAMO(アイガモ)」を発売した。サステナビリティー(持続可能性)向上に寄与しようと、2020年に全量純米づくりに転換。環境に配慮し、循環型の酒造りに挑戦している。
無農薬栽培の酒米「出羽燦々」で作った純米酒「東光AIGAMO」を発売した小嶋総本店の小嶋健市郎社長=米沢市 無農薬の酒米栽培は22年、多様な生物がすむ水田を守ろうと、地元契約農家と連携して始めた。泥をかき混ぜることで田んぼの水を濁らせ、日光を遮って雑草の成長を抑えるアイガモロボを活用することで、無農薬栽培を実現した。使用電力は全量が再生可能エネルギー電力で、発電には同社の酒かすも使われる。
東光AIGAMOで使った酒米は有機栽培の県産酒造好適米「出羽燦々」。輸入品である醸造アルコールを使わず、精米歩合80%と低精白ながら雑味なく仕上がり、添加物も使っていないため、飲むとコメ本来のうまみとコクが味わえる。
また、穏やかな香りを感じ、柔らかく甘みと酸味のバランスに秀でた飲み口が特徴で、飽きの来ない自然な味わいになった。小嶋社長は「日本酒好きはもちろん、普段は飲まない人にも手に取っていただきやすい酒になった」と語る。
アースデイは地球環境保護のために行動する日とされ、同社の理念に合う。同社は酒の品質の高さに加え、サステナビリティーに配慮した取り組みが海外でも評価され、24年の輸出量は19年の1.5倍に増えた。今年はさらに自社の取り組みを紹介する動画とパンフレットを制作。環境保護に関心の高い海外や業態に向け、積極的に拡販する計画という。
東光AIGAMOは4合瓶(720ミリリットル入り)で価格は1870円。酒造資料館東光の酒蔵や同社オンラインストア、酒販店で扱う。問い合わせは0238(23)4848。
2025年4月23日山形新聞より