川西町こども食堂「なかよしキッチン」(佐藤千恵美代表・H14卒)は町民を対象に、食事や小さい子への遊び場提供、子ども服のおゆずり会といった多彩な催しを開いている。「食堂」をうたいながらも食事提供だけにとどまらないスタイル。佐藤代表は「最終的にはそれぞれの居場所づくりが目標。町内の学区を越えて多くの人に集まってもらい、幅広い交流につながることを期待して取り組んでいる」と語る。
多くの家族連れが集まる川西町こども食堂「なかよしキッチン」=同町農村環境改善センター 同キッチンは、町社会福祉協議会議員の佐藤代表(41・H14卒)=同町上小松=らが2019年に立ち上げた。ママ友と話す中、保護者同士の交流の場や休日の遊び場が少ないといった地域の子育て課題を共有し、自分たちで解決につなげようと活動を始めた。
食事会では、ボランティアが地元住民や企業から寄せられた食材などを活用して料理を提供する。4月27日は寄付された冷凍牛丼やソーセージ、白米といった食材を生かし、牛丼と野菜炒め、ワカメスープ、フルーツポンチを用意した。同キッチンの持続的な取り組みを通じ、地域に広がった支え合いの輪が活動を後押ししている。
おいしい食事を準備するボランティアのメンバー 持続可能な開発目標(SDGs)を意識したイベントも開催している。新型コロナウイルス禍によりメイン企画の食事会ができなくなり、寄せられた余剰食品を無償提供する「フードパントリー」、子ども服のおゆずり会といった助け合いの活動にも裾野を広げた。取り組みは今後も随時開催していく予定だ。
このほか、おもちゃで自由に遊べる時間を設けるなど、子ども同士や親子で楽しく過ごせる工夫もしている。
若手ボランティア「大きな充実感」
地元の若手有志も活動を支える 地元の若手有志もボランティアとして参加している。置賜農業高(同町)で同級生だった同町高山、会社員淀野海翔(かいと)さん(20)と米沢市塩井町塩野、会社員加藤颯人(はやと)さん(20)は休日になかよしキッチンを手伝う。淀野さんは「高校時代から活動に関わっており、多くの人との交流が生まれた」、加藤さんは「自分の弟や妹の面倒を見ている感覚で、大きな充実感を得られている」とやりがいを口にする。
同キッチンは今後、放課後に自動が集まることができる居場所づくりプロジェクトにも力を入れていく方針という。佐藤代表は「これまでの活動を継続しつつ、多くの人の安心感や地域とのつながりを感じてもらえる取り組みを企画していきたい」と意気込んだ。
佐藤代表 気軽に参加 楽しく過ごして
佐藤千恵美代表(H14卒) 「多くの人にとって居心地の良い場所になることを目指してこども食堂を運営しています。これまで参加したことがない人も、気軽に参加して楽しいひとときを過ごしてほしいです」
川西町こども食堂「なかよしキッチン」
食事会は川西町農村環境改善センターを会場につき1回、日曜日に実施している。開催日時は公式LINEやフェイスブックなどで随時発信。食事を希望する場合は4日前までに申し込みが必要となる。食事代は大人300円、小中学生100円、未就学児無料。ランチなしの場合、参加料や予約は不要。問い合わせ先や申し込みは佐藤代表のメールアドレス sato.310@yahoo.ne.jp
2025年5月6日山形新聞より