大西船長と10分間 閉校記念 貴重な体験

今年4月に米沢市の米沢一中と統合した米沢五中に在籍していた生徒14人が29日、同市の米沢興譲館高で、国際宇宙ステーション(ISS)とのアマチュア無線による交信に挑戦し、ISS船長を務める日本人宇宙飛行士・大西卓哉さんとの交流に成功した。統合前の3月は交信できなかったが、ISS側との調整を重ね、リベンジを果たした。

宇宙飛行士に質問する生徒たち=米沢市・米沢興譲館高

米航空宇宙局(NASA)の教育プログラムの一環で、同校の閉校記念イベントとして、米沢アマチュア無線クラブ有志でつくる米沢スクールコンタクト実行委員会(玉橋博幸代表・S48卒)がサポートした。前回は3月28日に挑戦し、宇宙飛行士から応答があったが、同校のコールサインをISS側が正しく認識できず。交信成功に至らなかった。

今回は玉橋代表が無線でコールサインを発すると、大西さんの「よろしくお願いします」という声が聞こえ、生徒たちはほっとした表情。交信はISSが上空を通過する10分間続き、生徒が英語で大西さんに質問した。宇宙で怖いと感じたことがあるかという問いには「すぐ隣に地球が見えるので、怖いと思ったことはない」との回答。尿を浄水処理して飲み水にしていることや、宇宙飛行士になるためには英語の勉強が必要との話も聞いた。

3年星野智春さん(14)は「再挑戦できると聞き、ずっと楽しみにしていた。大西さんが丁寧に答えてくれてうれしかった」と話した。玉橋代表は何としても成功させようとNASA側に交渉したといい、「生徒に貴重な体験を贈ることができた。幅広い視野を持つきっかけにしてほしい」と達成感をにじませた。

2025年5月30日山形新聞より