どさいだ 長井線 こさいだ

ウェブ上で列車の現在地を表示する新サービス。左は中井晃社長(S48卒)=長井市・山形鉄道

フラワー長井線を運用する第三セクター山形鉄道(長井市)は、列車の現在地をウェブ上でリアルタイムに確認できるサービスを導入し、沿線住民や鉄道ファンから注目されている。運行状況が一目で分かる仕組みで、同社は運転士不足に伴うダイヤ縮小による不便を補うとともに、観光振興や災害時の対応にも生かしたい考えだ。

対象は前線に当たる赤湯―荒砥区間。パソコンやスマートフォンで専用ページにアクセスすると地図上に三角形のアイコンで列車の位置と進行方向が表示される。「あやめ」「紅花」など6種類あるラッピング車両の愛称も示され、アイコンを選択すれば走行中の速度も確認できる。

車両トラブル対策として昨年導入した衛星利用測位システム(GPS)を応用した。従来は各駅の構内放送やX(旧ツイッター)の公式アカウントでしか運行状況を把握できなかったが、画面上で路線全体の状況を見渡せるようになった。災害発生時には避難や救助の判断材料としての活用も期待される。

同市の地域起こし協力隊員で鉄道写真家の米屋こうじさん(57)は鉄道撮影を愛好する「撮り鉄」の関心も高まるとした上で「どの車両が来るか分かるので、沿線の風景と合わせて撮る時に便利。待ち時間も苦にならない」と歓迎する。

山形鉄道の中井晃社長(71・S48卒)は「乗り換えや待ち合わせの際など、さまざまな場面で役立ててほしい」と話している。

2025年6月26日山形新聞より