講演する口田圭吾教授=米沢市・グランドホクヨウ 米沢牛150周年記念市場の前夜祭が1日、米沢市のグランドホクヨウで開かれた。帯広畜産大(北海道帯広市)の口田圭吾教授が「霜降りの繊細さが味を変える」と題して講演し、生産者や購買者など約100人が和牛のおいしさを高める手法に理解を深めた。
口田氏は画像解析を用いた霜降り評価の第一人者で、枝肉切開面の画像を基においしさを客観的に評価する。研究成果に触れながら「脂肪の塊が小さく、きめ細かい小ざしは食味が良く、多い肉ほど枝肉単価が上がる」と説明。遺伝相関が認められるため、牛の改良によって増やすことができるという。
牛のおいしさを高めるためにはさしの細かさを示す「新細かさ指数」を高めることが大切だと指摘した。自身の研究室が開発した画像データベースも紹介した。
主催した米沢食肉公社の佐藤康寛社長(S50卒)は「和牛価格が伸び悩む中でも米沢牛は高い評価を得ている。おいしさを追求し、品質を県内にアピールしたい」とあいさつ。県畜産振興課の星光雄課長補佐は、牛肉の口どけの良さを示すMUFA(一価不飽和脂肪酸)の値を用いた評価向上に向けた県の取り組みを紹介した。
この日は祝賀会もあった。記念市場は2日に米沢食肉市場で開かれる。
2025年10月2日山形新聞より




