「ダラス賞」など節目の特別賞設置

米沢牛誕生150周年記念市場の競りが2日、米沢市食肉市場で開かれた。米沢牛を全国に広めたとされる旧米沢藩校興譲館洋学舎の英国人教師チャールズ・ヘンリー・ダラスにちなんだ賞や、脂肪の口解けの良さを示す「MUFA」(一価不飽和脂肪酸)の値に基づく賞などが特別に設けられ、枝肉1キロ当たりの最高価格は1万811円に上った。

米沢牛誕生150周年を記念して開かれた枝肉の競り=米沢市食肉市場

米沢食肉公社(佐藤康寛社長・S50卒)が主催し、黒毛和種75頭が上場され、県内外から24社が競りに参加した。1キロ当たりの平均価格は3200円、総販売額は1億1100万円になり、高値での取引となった。山形新幹線「E8系」の故障トラブルに伴う長期運休を受けた消費減退や、物価高騰による買い控えの影響で、本年度の相場は低調だったが、節目にふさわしい良好な結果となった。

県農業総合研究センター畜産研究所(新庄市)の協力を得て、MUFA値を測定したほか、帯広畜産大学の口田圭吾教授による解析に基づき、霜降りのきめ細やかさを示す「小ざし指数」も計測。評価が高かった計6頭を表彰した。

さらに「C・H・ダラス賞」も特別に設けた。佐藤社長ら計5人の審査員が「自分がダラスだとしたら、友人に振る舞いたい牛肉」という基準で、自信を持って薦めることができる5頭を選出。このうち、最高単価で落札された米沢佐藤畜産(米沢市)が出品した雄牛の枝肉(450キロ)が最高賞に輝いた。

佐藤社長は「米沢牛の味の良さはトップクラスで、魅力を広く発信し、記念の年を盛り上げたい。品質を向上させ、ブランド力をさらに高めていく」と語った。

2025年10月3日山形新聞より