萱野峠をハイキングする参加者=小国町

体験型観光を手がける「ヤマガタエクスペリエンス」(飯豊町、堀江守弘代表・H12卒)などは29日、インバウンド(訪日客)向け旅行商品を扱う関係者を対象に、小国町で視察ツアーをひらいた。「英国人旅行家イザベラ・バードの足跡をたどる」をテーマに、旧道・越後米沢街道の萱野峠を紹介し、置賜地域のアウトドア体験をPRした。

地元の歴史や文化が学べる自然体験を通じて訪日客を呼び込もうと、同社と、飯豊町のめざみの里グリーンツーリズム推進協議会が企画。県内外の旅行会社から3人が参加し、29~31日の日程で、同街道のハイキングや西置賜地域のサイクリング、ラーメン作りを体験する。

この日は、堀江代表が英語で、バードは約150年前に日本を訪れ、本県と新潟を結ぶ同街道を歩いたこと、置賜地域を「東洋のアルカディア(桃源郷)」と称したことを紹介した。参加者3人は菅笠をかぶり、紅葉や滝を眺めながら約3.7キロの峠道を歩いた。

旅行会社「Exo Travel(エキソ・トラベル)」(東京)のフランキ・ヴァレンティーナさん(32)は「歴史や景色を堪能でき、欧米人にも受けると思う」と話した。堀江代表は、本県が米誌「ナショナルジオグラフィック」で、2026年に行くべき旅行先の一つに選出されたことに触れ「置賜地域はまだまだ訪日客が少ない。魅力的な場所を提案する」と語った。

2025年10月30日山形新聞より