国鉄時代の貴重な2台 祖父の思い 次世代に
国鉄時代に鉄道員の声を届けた鉄道電話機が、半世紀余りのときを経て“里帰り”した。南陽市漆山、自営業佐藤拓也さん(40)が当時の黒電話2台を、フラワー長井線を運行する山形鉄道(長井市、中井晃社長・S48卒)に寄贈した。佐藤さんは「鉄道を支えた時代の空気を感じてもらいたい」と語る。
記念写真に納まる中井晃社長(左・S48卒)、佐藤拓也さん、彩紗夏さん、陽菜乃ちゃん=長井市・山形鉄道 電話機は岩崎通信機(東京)が1966(昭和41)年に製造した「M41」と、沖電気工業(東京)の67年製「650-C」。佐藤さんの祖父市郎さんが日本電設工業山形営業所(山形市)の社員として電気設備工事に携わっていた頃の所蔵品とみられる。数年前、自宅の押し入れから外箱に入った状態で見つかり、包装も残る未使用品。
佐藤拓也さんの祖父、市郎さん 佐藤さんは今月21日、長女の彩紗夏さん(8)=宮内小2年、次女の陽菜乃ちゃん(6)=宮内認定こども園年長=とともに山形鉄道を訪れ、中井社長に手渡した。技術職の経験もあるという佐藤さんは「鉄道の安全を陰で支えた祖父の思いを、次の世代に伝えたい」と話した。
同社では昨年まで鉄道電話が現場で使われていたが、通信方式の変更に伴い役目を終えている。中井社長は「大切に保管し、鉄道利用者や地域の皆さんにも見てもらえる機会をつくりたい」と述べ、今後の活用法を検討していく考えだ。
寄贈された2台は、長井線の通信技術の歩みと、それを支えた技術者の営みを物語る貴重な資料となりそうだ。
2025年11月29日山形新聞より





