「ひろすけ童話」の組み木絵と制作者の佐藤康司さん(左)、寄贈者代表の八木孝さん(S49卒)=山形県高畠町の浜田広介記念館

「泣いた赤おに」などで知られる山形県高畠町出身の童話作家・浜田広介(ひろすけ)の業績を伝える浜田広介記念館に、童話の名場面やキャラクターを組み木絵で表現したアート作品が完成した。19日の式典には作品を寄贈した地元住民らが集まり、「ひろすけ童話」の世界に見入った。

浜田広介は日本を代表する童話作家で、「日本のアンデルセン」とも呼ばれる。80年の生涯で約1千編の童話や童謡を創作した。

2019年、町のために貢献したいと考えた高畠ライオンズクラブが、内装が木でできた記念館のひろすけホールに飾る組み木絵の制作を、インターネットで探し当てた岡山市の木工作家、佐藤康司さん(63)に依頼。佐藤さんは町との縁はなかったが、趣旨に賛同した。

組み木絵は、色合いが異なる様々な木材を組み合わせて一枚の絵を作るアート作品。佐藤さんはまず、「泣いた赤おに」と「ある島のきつね」の組み木絵を制作した。スギやナラ、イチョウなどの木を、糸のこぎりで加工した。

今回制作した「ひろすけ童話」の組み木絵について解説する佐藤康司さん。めがねのキャラクターは浜田広介がモチーフという=山形県高畠町の浜田広介記念館

25年には、地元歯科医師の八木孝さん(70・S49卒)らライオンズクラブの有志6人が再度佐藤さんに制作を依頼。「りゅうの目のなみだ」と「むく鳥のゆめ」の組み木絵が加わった。

そして今回、「たぬきのちょうちん」「かえるのきょうだい」「波の上の子もり歌」など10作品のキャラクターと、広介自身がモチーフというめがねをかけた人物を組み木絵で制作。全部で15の作品がそろった。

佐藤さんは19日、「構想を練るため童話を読んでみると、有名作品のほかにもすてきな作品がたくさんあり、組み木絵を通して紹介したいと思った」。寄贈者代表の八木さんは「木のもつ自然な風合いで、ひろすけ童話のやさしく温かな世界を表現してもらった」と話した。

15作品はすべて記念館のひろすけホールに設置された。このホールはふだん一般公開されていないが、記念館は組み木絵の完成を記念して6月6日に公開する。9~12日午後にも追加公開する。入館料は大人500円、高校・大学生300円、小中学生200円。問い合わせは記念館(0238・52・3838)へ。

2026年5月20日朝日新聞より