東北中央道整備で伐採・住民らが樹木供養、22年目
路傍の木陰にひっそりとたたずむ石碑がある。米沢市万世町梓山の「木場原の草木塔」。東北中央自動車道福島-米沢間の整備に伴い、同地区の土地を提供した地権者たちが建立した。伐採された樹木を供養する「草木塔祭」を同所で毎年開催しており、今年で22年目を迎えた。建立時の発起人で、近くに住む元万世コミュニティセンター館長の梅津幸保さん(81・S39卒)は「自然に対する感謝の気持ちを大切にしたい」と口にする。
「木場原の草木塔」のそばに立つ梅津幸保さん(S39卒)=米沢市万世町梓山 草木塔は、霊魂の宿る草木の恩恵に対し、感謝特養の気持ちを表す民間信仰を象徴し、江戸時代中期以降に広まった。多くが置賜地域に分布し、同市田沢地区が発祥の地とされる。
万世町梓山地区では、2017年11月に全線開通した東北中央自動車道福島-米沢間の建設工事に当たり、資材の運搬道路を整備するため、木々の伐採を余儀なくされた。先祖から受け継いだ樹木を供養し、自然の恵みに感謝しようと、梅津さんを含む土地の提供者13人が05年5月15日、木場原の草木塔を建立した。
石材には、道路の建設途中に川底から見つかった白御影石を使用した。高さ2メートル、幅1.9メートル、奥行き1.2メートルの巨石で、梅津さんの字で「草木塔」と刻まれている。
22回目の草木塔祭は先月15日早朝、石碑の前で行われた。普門寺(同市万世町桑山)の堤全隆住職が読経し、集まった建立者らにお札を配布した。梅津さんは「草木塔を通じ、自然に感謝する精神を守り続けたい」と話した。
2026年6月3日山形新聞より




