欧米の富裕層誘致/高校で質実剛健の精神培う

米沢興譲館高(米沢市)出身で、クレジットカード大手アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(アメックス)の須藤靖洋日本代表・社長(60・S60卒)が7日までに山形新聞のインタビューに応じた。須藤社長は本県のインバウンド(訪日客)ビジネスの伸びしろの大きさを指摘し、同社としても海外の顧客網を生かした観光誘致に取り組む考えを示した。

海外の顧客網を生かし、観光誘客に取り組む考えを示す須藤靖洋アメックス日本代表・社長(S60卒)=山形市

―本県経済の印象は。どのような点で活性化に貢献できると考えるか。

「海外の富裕層は自然が好きで旅先で長期滞在するケースが多く、山形県は訪日客ビジネスが今後、伸びる地域とみている。実際に、訪日客ビジネスをメインに手掛ける事業者が『山形は宝の山』と表現するなど特に富裕層が注目する地域になると言われる。当社もグローバル企業の強みを生かし、欧米の顧客誘致などに取り組んでいきたい。訪日客受け入れに向け、さまざまな場所でキャッシュレス化を進めておくことが重要だ」

―個人に加え、企業間のクレジットカード決済導入に力を入れる。

「当社の売り上げの半分近くを法人が占めている。支払側、請求側双方の企業に対し、伴走支援する専任担当を置いている。販路拡大や事業提携など企業と企業をつなげるビジネスマッチングにも取り組む。オンラインのプラットフォームには約2万7千社が登録し、実際に対面型のイベントも展開している。昨年末からは事業承継の支援にも新たに取り組み始めた」

―働きやすい環境づくりで注力している点は。

「3年前に社長に就任して以来、社内の心理的安定性を担保し、よりオープンに、失敗してもいいから新しいことに挑戦する環境をつくろうと、『トライカルチャー』を掲げている。昨年からは『トライボックス』と銘打って、社員から募集した新規事業を役員が評価し、有望なアイデアに投資する取り組みを始めた。社員から直接、『今年はこんなことに挑戦しようとしています』と声をかけられるのがうれしい」

―本県で過ごした少年時代の経験は、経営に生きているか。

「藩校の歴史がある米沢興譲館高を卒業した。高校時代に質実剛健の精神が培われた。山形銀行に勤務していた父の転勤に伴い数年おきに転向していた経験も積極的にネットワークを広げる現在の姿勢に通じていると思う」

略歴

須藤靖洋氏(すどう・やすひろ)米沢興譲館高(S60卒)、日大卒。1990年アメックス入社。シドニーオフィス、マーケティング部などでの勤務を経て、2011年からアメックス日本副社長。23年から現職。25年に英国ウォーリック・ビジネススクールMBA課程修了。小学2年生から高校3年生まで山形市、米沢市、長井市などで過ごす。仙台市出身。

2026年7月8日山形新聞より