記念式典

藩校興譲館創立250周年記念式典が令和8年6月20日(土)に置賜総合文化センターで挙行された。上杉家第18代当主・上杉裕憲様、山形県副知事・高橋徹様、山形県教育委員会教育長・須貝英彦様、米沢市長・近藤洋介様、米沢市教育委員会教育指導部長・落合篤様のほか、姉妹都市である愛知県東海市長・花田勝重様、宮崎県高鍋町教育長・奥村昌美様、宮崎県立高鍋高等学校教頭・木村英二様をはじめ、山形県議会議員、米沢市議会議員、歴代校長など、多くの来賓のご臨席を賜った。
開式の辞は、記念事業副実行委員長の佐野隆一同窓会副会長(昭和47年卒)がつとめた。続いて、米沢興譲館高等学校現役音楽部員6名による二部合唱の校歌が披露され、伸びやかな歌声が会場を爽やかに包んだ。
主催者を代表し、実行委員長の小嶋弥左衛門同窓会長(昭和42年卒)は、藩校創立250年という歴史的節目の意義を述べるとともに、先人への敬意と感謝を表明した。また、講演会や対談、学校・地域の教育環境整備、校舎の「まちなか移転」の推進など、記念事業の概要について説明した。さらに、米沢市上杉博物館開館25周年記念特別展「上杉鷹山と米沢の学び舎―藩校『興譲館』から近代の学校へ―」が、興譲館創立記念日である9月19日から開催されることを紹介した。
続いて、高橋徹山形県副知事、近藤洋介米沢市長、舟山和彦米沢興譲館高等学校校長から祝辞が述べられた。祝辞では、250年にわたり多くの人材を育成してきた興譲館の歴史と伝統に触れるとともに、共生社会の実現や郷土愛の醸成、体験活動の充実など、県内高校教育を牽引する存在として、今後のさらなる発展と人材育成への期待が寄せられた。

記念講演では、千葉大学大学院教育学研究院教授の小関悠一郎氏(平成8年卒)が「江戸時代の興譲館に見る藩校の精神」と題して講演した。興譲館が設立された江戸時代の歴史的背景や、米沢藩の為政者たちの思想、教育理念とその後世への影響について解説した。1776年がアメリカ独立宣言など世界史的な変革期であり、国内では社会不安が続く中、上杉鷹山らが学問の重要性を見いだし、細井平洲を迎えて藩校興譲館を設立した経緯を紹介した。また、実用的な人材育成だけでなく、人格形成や道徳教育を重視し、身分を超えて学び合う精神を育んだ興譲館の理念は、日本の近代化の礎となり、今日においても地域教育の象徴として大きな価値を持つと語った。
続いて、拓殖大学政経学部准教授の堀田学氏(平成9年卒)が「現代に活かす藩校の精神」と題して講演した。藩校興譲館の歴史や精神、近代以降の制度的変遷、各自治体における展示や教材化によるシビックプライドの醸成について、多面的な視点から紹介した。愛知県東海市や宮崎県高鍋町、福岡県朝倉市における展示や教育活動を例に挙げ、興譲館の精神が現代にも受け継がれていることを解説した。また、学校制度の変遷を振り返りながら、現在の米沢興譲館高等学校が迎える「第三の変革期」における使命について述べた。
次に、記念事業副実行委員長の鈴木基同窓会副会長(昭和49年卒)から「明治以降の置賜の教育と興譲館」と題し、明治維新後の学制改革に伴う置賜地域の教育制度の変遷と、藩校興譲館の役割について話があった。興譲館は郷校と連携しながら市民教育や人材育成を担い、学制発布により県学興譲館は廃止されたものの、名称を変え旧・米沢藩士協立「私立米沢中学校」として継続された。また、その教育理念は興譲小学校の創設や地域の学校教育にも受け継がれた。そして「なせば成る」の精神や細井平洲の教えは、現在も米沢市の教育施策や学校教育の中に息づき、郷土の教育文化として継承されていることが紹介された。
OB対談では、鈴木氏が進行役を務め、小関氏、堀田氏とともに、「米沢興譲館OBとして県外へ出た際のエピソード」などをテーマに語り合った。興譲館出身というだけで相手との距離が縮まった経験や、学則の暗記、応援団、英語・古文・数学の授業など学生時代の思い出話に花が咲き、会場は和やかな雰囲気に包まれた。閉会の言葉は副実行委員長の小島長五郎体育文化後援会長(昭和44年卒)が述べた。
記念祝賀会

グランドホクヨウを会場に、95名の来賓と同窓生が出席し、盛大に開催された。
開会にあたり、記念事業副実行委員長の藤倉万里子同窓会副会長(昭和53年卒)があいさつを述べ、藩校「興譲館」の学則を暗唱すると、会場は大きな拍手に包まれた。
来賓を代表して、上杉家第18代当主・上杉裕憲様、そして細井平洲先生のふるさとである花田勝重東海市長が祝辞を述べられ、250周年という歴史的節目を祝うとともに、興譲館の伝統が次世代へ受け継がれていくことへの期待が寄せられた。
続いて、同窓会顧問の大友恒則氏(昭和35年卒)の発声による乾杯で祝宴が始まった。会場では旧交を温める歓談の輪が広がり、世代を超えた交流が和やかに繰り広げられた。
祝宴の中では、記念事業の一つである興譲館資料室整備の進捗状況について石黒宏冶先生(昭和55年卒)から報告があり、資料の保存・活用を通して興譲館の歴史と伝統を後世へ継承していく取り組みが紹介された。
宴も終盤を迎え、山形県議会議員・舩山現人氏(昭和47年卒)の音頭による「繫栄唱和」が行われ、参加者全員が母校のさらなる発展を祈念した。最後に、記念事業副実行委員長の加藤英樹同窓会副会長が閉会のあいさつを述べ、250周年を祝う記念の一日は盛会のうちに幕を閉じた。



































