バッグに角、神獣ほうふつ

一点物のバッグを制作し、数々の海外展で受賞を重ねる米沢中央高英語教諭紺野ゆかりさん(59・S60卒)=川西町上小松=が先月、イラン政府からイラン日本芸術友好親善大使に任命された。作品の一つがイランで神獣とされるヤギ「アイベックス」を、ほうふつさせると評価されたことがきっかけ。紺野さんは「両国の橋渡し役として相互理解に貢献したい」と意気込む。

記念事業で紹介されることになったバッグを制作した紺野ゆかりさん(S60卒)=川西町上小松・2025年9月28日

昨秋、春日大社(奈良県)で開かれたこと芸術祭に紺野さんが出品したバッグがイラン関係者の目に留まり、親善大使に任命されたという。

紺野さんが理念とするのはコンセプトや材料、デザインなどでの「日本と世界の融合」だ。イラン関係者の目に留まった作品は古代ペルシャのアイベックスと奈良の「神鹿」を重ね、双方に共通する大きな白い角をあしらった。また、生地には伝統的な西陣織を用い、イスラム圏の美術を象徴する幾何学模様も採用。日本とイラン両国の文化を一つのバッグへと収めた。

大使として今後、交流サイト(SNS)を通じた芸術交流の促進などに注力する。直近の世界情勢に目を向ければ、イランと米国などの間で戦闘が繰り広げられ、市民の犠牲も絶えない。紺野さんは「世界を形作る一つ一つに優劣はなく、認め合うことが大切。こうした世情だからこそ、自分の作品を通し、心を通い合わせる素晴らしさを発信していきたい」と語った。

バッグは22~24に東京都内の東京芸術劇場で開かれる日本とイランの外交関係樹立100周年(2029年)の節目に向けた記念事業で展示される。

2026年8月17日山形新聞より