結城秀人さん(S54卒)に関連するニュースです。

 県産ブドウの発祥の地として知られる南陽市赤湯で、5年目を迎えた「ワインプロジェクト」で醸造するワインの本年度ラインアップが出そろった。地元ブドウ生産者とワイナリー、酒販売店が一体となった取り組みで、過去最多の8銘柄を醸造。今後もプロジェクトに関わる”関係人口”を増やしながら、さらなる飛躍を目指している。

 プロジェクトは、「ブドウとワインの赤湯」という地域ブランド力を高めようと、結城商店(同市椚塚)の結城秀人社長(61・S54卒)の提唱で2017年に始まった。市内のワイナリーに醸造を委託したワインは、1年目が2種計250本。2年目が5種950本。3、4年目は7種計1700本が完売した。プロジェクトへの支援金を募るなどしながら、よりハイランクな産地へと飛躍させる下地も整えてきた。

 5年目の本年度は、ラインアップを新たにシリーズ初となる弱発砲性の商品が加わった。結城社長は「赤湯のブドウは果実味が強いので、フルーティーな味わいのワインを造りたかった」と説明する。

 名称は「398(さんきゅうはづ)フリザンテ」。398は、日本を代表するワイン醸造用のブドウで、市内で古くから栽培されてきた「マスカットベーリーA」の交雑番号3986号にちなんだもので、地元の人が親しみを込めて呼ぶ方言の入った「さんきゅうはづ」を読み方とした。750ミリリットル入りで1000本を醸造し、3630円で販売する。

 このほか昨年と同じく「マスカットベリーA」、古木の「OLD」、白竜湖からの上昇気流にさらして自然乾燥させた干しブドウを使って造った「HAKURYU-DRY」、「ナイアガラ」、「赤湯十分一山 鷹次」、「スチューベン」、「甲州」(720~750ミリリットル入り、2310~5500円)を取りそろえた。

 結城社長は「赤湯のワインは人工的に糖分を加える補糖をしておらず、品質の高さを裏打ちしている。今後はさらに生産者やワイナリー、酒販売店を取り込み、それぞれが誇りを持って製造・販売できるようにしていきたい」と話す。ワインは結城酒店と赤湯駅内の「駅の駅なんよう」で取り扱っており、さらなる取扱店も募集している。問い合わせは同店0238(43)6333。

2021年6月25日山形新聞より