感染可能性、頭に入れて・翌々日も…医師、専門機関に相談

 新型コロナウイルスのワクチン接種後に37.5度以上の発熱が続き、副反応だと思っていたら感染による症状だった―。こうしたケースが全国で相次いで確認されている。接種後に発熱や倦怠(けんたい)感といった症状が長引いた際、どの程度まで副反応と捉えるべきなのか。山形大医学部の今田恒夫教授(公衆衛生学・S58卒)に20日、医療機関への受診や相談につなぐ判断の目安などを聞いた。

 ―新型コロナワクチンの副反応には、どんな症状があるのか。

  「最も多い症状は接種部の痛み。次いで倦怠感、発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛などが挙げられる。1回目の接種でほとんど症状が出ない人でも、2回目で症状が出る傾向にある。2回目になると、症状の頻度も程度も強くなり若い年代ほど出やすくなる」

 ―接種後に発熱や倦怠感などが続き、検査を受けたら、実は感染していたケースが見られる。発熱などが副反応の症状にあり、判断が難しい。

 「副反応の経過を確認しておきたい。一般的に注射をした次の日に最も症状が強くなり、その翌日には和らぐ。およそ2、3日で症状が消えるのが典型だ。仮にワクチン接種の次の日に高熱が出たり、調子が悪かったりしても、その翌日に症状が回復傾向にあれば副反応と判断していいと思う。逆に注射を打った翌々日も症状が改善せず、熱が高くなるなど悪化が見られる場合は、新型コロナの感染も頭に置かなければならない」

 ―症状が長引いた際、どういった対応が必要か。

 「注射した次の日は副反応かどうか判断がつかないので、まずは自宅で安静にしてほしい。高熱が続いて苦しい場合は解熱剤の服用も勧めたい。 接種の翌々日でも症状が改善しなければ、電話でかかりつけ医に相談したり、集団接種を受けた人は県のワクチンコールセンター=(0120)567690=などに連絡したりしてほしい。受診などの指示があると思うので、それまではあまり動かないようにしてもらいたい。予約なしでの受診は、感染拡大につながる恐れがあるので控えてほしい」

  ―腕の痛みや腫れが収まらないといったケースは、どう対応すべきか。

  「ケース・バイ・ケースだが、我慢できる範囲の痛みではなく、症状が悪化し、1週間経過しても腫れが収まらないなどの場合は専門の医療機関を受診した方がいい」

 ―これからワクチン接種を受ける人に対するアドバイスを。

  「接種前に体調を崩したら受けられなくなる。暑さが厳しく熱中症のリスクもあるので、自ら体調管理を徹底することが大切だ。副反応を心配している人はいると思うが、仮にアナフィラキシーショック(重いアレルギー症状)が起きても接種会場では救急対応できるようにしているので、安心して受けてほしい」

2021年7月21日山形新聞より