1084ページ田沢の記録・5年越し、郷土史完成・歴史や自然、民俗幅広く

重厚な「田沢郷土誌」の完成を喜ぶ編集委員会の清野春樹編集長(S43卒)、大友恒則会長(S35卒)、後藤輝子副編集長=米沢市・田沢コミュニティセンター

米沢市南西部の田沢地区の歴史や文化をまとめた「田沢郷土誌」が完成した。1084ページの大作の中に、先史から現代までの同地区の歩みと、民俗や生活・自然などを盛り込んだ。市内在住の元高校教諭で、編集長を務めた清野春樹さん(72・S43卒)は「本の厚さは伝承の多さや自然の奥深さを物語っていると話す。

幅広い分野について推測も交えながら記述したため郷土「史」ではなく郷土「誌」の字を用いた。時代や分野ごとに全8編に分け、写真や図表を交えながら紹介している。

中世の項では、同時期に置賜地区を支配した新田氏の居館が田沢地区内に存在することから、同地区が置賜の中心地の性格を持っていたことを説明。旧石器時代についても、同地区が石器材料の珪質頁岩の産地だったことから、重要な場所だったことを考察した。

歴史では、草木塔に代表される木材産地としての性格や、近代の八谷鉱山(同市入田沢)の盛衰なども書き込んだ。そのほか、地区の冠婚葬祭儀礼や、地名に見られるアイヌ語などにも触れた。

制作期間は5年、2016年に地元住民らによって編集委員会(大友恒則会長・S35卒)が結成され、清野さんを中心に執筆、編集を行った。後藤輝子副編集長(79)は「昭和50年代から何度か制作の動きはあったが、やっと夢がかなった。子どもたちや若い人に興味を持ってもらいたい」と話した。

500部を印刷し、地区住民や図書館などに配布した。問い合わせは田沢コミュニティセンター0238(31)2111。

2021年8月28日山形新聞より