企画展では佐野利器(M31卒)の功績をパネルなどで紹介している=山形市・県産業科学館

耐震構造学の創始者で、白鷹町出身の佐野利器(としかた・1880~1956年・M31卒)を知る企画展が、山形市の県産業科学館で開かれている。地震に強い建物づくりの礎を築いた功績などを紹介している。

佐野は同町の山口家に生まれ、父の死により上山市の佐野家の養子となった。幼少のころから絵や工作が好きで、数学は天才的と言われた。現在の東京大学で辰野金吾に建築学を学び、初代国技館(1909年完成)や東京駅(14年完成)の構造計算を担当。建築構造学の確立のみならず、メートル法やローマ字の普及、教育制度の改革など、多方面で活躍した。

展示では、佐野の生涯を12のポイントにまとめてパネルと映像で分かりやすく解説。まちづくりや教育など、佐野の偉業はSDGs(持続可能な開発目標)にも通じており、宮野悦男館長は「未来をつくる子供たちの学びに生かしてほしい」と話している。来月1日まで。

2022年8月18日山形新聞より