佐々木綾子教諭(41)

全国の現代絵画作家らが出品し、12回目を迎えた公募形式の展覧会「FACE展2024」で、米沢興譲館高(曽根伸之校長)の美術教諭佐々木綾子さん(41)=米沢市城西3丁目=の作品「探求」が2位に当たる優秀賞を獲得した。佐々木さんは「日常の何気ない風景をモチーフにした。日々を楽しむ視点で描いた作品が評価されたことはうれしい」と笑顔を見せた。

佐々木綾子さんの作品「探求」

仙台市出身の佐々木さんは、東北芸術工科大(山形市)で日本画を学び、興譲館高では美術部顧問を務めている。同展には2017年以来の出品で、今回は1184人が出品した。

受賞作は同校の職員室の一角を描き、卓上に冊子や書類が積み上げられた雑然とした風景を捉えた。佐々木さんは「先生たちの机の趣は担当している教科や仕事内容などで違ってくる。それらが連なった室内の雰囲気、それぞれの個性を表現したかった」と話す。

平日は1時間、休日は8時間ほどを創作活動に充て、約1カ月半かけて完成させた。書類でできる大きな塊やうねりが目立つよう部分的に配色。一見すると気付きにくいが、書類には文字が一文字ずつ書き込まれ、細部まで丁寧に表現した。

曽根校長は「佐々木先生が自らの個性、強みを発揮してつかんだ成果。仕事だけにとどまらない、人生の楽しみ方を生徒にも学んでほしい」と目を細めた。

展示は3月10日まで、東京都新宿区のSOMPO美術館で行われている。

2024年2月21日山形新聞より