「幻の滝」にしたくない・「滑川大滝」へのつり橋復活へ・CF活用「再び、気軽に」

日本の滝百選にも選ばれている滑川大滝

日本の滝百選の一つ「滑川大滝」(米沢市大沢)。全国的に知られる名瀑だが、道中にあるつり橋が老朽化のため通行禁止となっており、「幻の滝」とも言える状況が続いている。関係者はコロナ収束後の観光需要を見据え、迫力ある姿をもう一度気軽に見られるようにしようと、クラウドファンディング(CF)を利用して修理費用の確保に乗り出した。

滑川大滝は秘湯滑川温泉の一軒宿「福島屋」から約1キロの場所に位置する。通常落差80メートル、幅40メートル、増水時の最大落差は150メートルを越え、東北最大級ともされる。全国放送のテレビ番組で紹介されたこともあり、広く知られるようになった。

一方、滝に向かうには、福島屋の脇を流れる川を渡る必要があるが、つり橋が老朽化し、6年前から増水時を避けて川の中を歩くしかない状況となっている。立ち寄りついでに気軽に行けるとは言いがたく、見学希望を断らざるを得ないことが続いていたという。

つり橋の所有者で、プロジェクトに中心となって取り組む福島屋の笹木雅生専務(40・H12卒)によると、新型コロナの感染拡大前は海外からの旅行者が多く、川歩きの装備が必要という事情を伝えると、悲しそうな顔をして帰ることもあった。笹木さんは「日本でも有数の滝がまともに見られない状況は米沢にとって大きな損失。橋を復活させたい」と意気込みを語る。

コロナ後の再スタートに備え、取り組みを広く周知しながら受け入れ環境を整え、エリア全体のファンを増やしたいとCFを選んだ。つり橋の修理費用約460万円に返礼品の発送費用などを加え、目標額は500万円。返礼品として福島屋の宿泊券や米沢市内の温泉共通入浴券、米沢牛などのほか、冬のトレッキングツアーなど新たな旅行商品も開発した。支援はサイト「CAMPFIRE」で9月末まで募っている。

2021年9月1日山形新聞より
老朽化し、通行禁止となっているつり橋。
2021年9月1日山形新聞より