松岬城ちょう図を元に、遠藤英教諭(S60卒)が米沢城について解説した研修会。=米沢市・伝国の杜

米沢市の観光ボランティア団体「おしょうしなガイドの会」(高橋会長)の研修会が9月29日、同市の伝国の杜で開かれた。普段、観光客を案内している米沢城や城下町の成り立ちについて、江戸時代後期の城の状態を示した「松岬城ちょう※図」を元に理解を深めた。

九里学園高(同市)の遠藤英教諭(S60卒)が講師を務め、会員約20人が参加した。遠藤教諭は「知識をつぎはぎにして伝えるのではなく、今いる場所がどういう場所だったのか、当時をイメージできるように伝えることが大事だ」と強調。同図を示しながら、当時の人々営みなどを考察した。

現在、上杉神社がある城の本丸内には、北東から南西にかけて建物がジグザグ状につながった御殿があった。現在の神社拝殿に近い南西側の端には藩主のプライベートな空間があり、現在まで残る春日神社などと合わせ、特に神聖なエリアだったと説明した。また、上杉家の米沢支配が始まった際には、最上、伊達、徳川の連合による侵攻も想定されたことから、城下町を含めて非常に攻めづらい工夫がされていることを紹介した。

同会は上杉神社周辺中心に観光ガイドを行っているが、新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限されている。最近は、県内小中学生の修学旅行での案内が多いという。

※ちょうはつちへんに世、木

2021年10月3日山形新聞より