上杉鷹山、秋月種茂、黒田長舒の3名君について考察した「秋月三名君フォーラム」=米沢市・伝国の杜

米沢藩9代藩主上杉鷹山、兄の高鍋藩主秋月種茂、おいの秋月藩主黒田長舒(ながのぶ)の高鍋藩秋月家から出た3人の明君について考える「秋月三名君フォーラム」が22日、米沢市の伝国の杜で開かれ、参加者は講演やパネルディスカッションを通じて財政面から藩政を考察した。

九里学園の遠藤英教諭(S60卒)をコーディネーターに、米沢市出身で野村総合研究所取締役、大阪経済大教授を務めた加藤国雄さん(S39卒)、高鍋藩(宮崎県高鍋町)、秋月藩(福岡県朝倉市)の有識者がパネルディスカッションを行った。参勤交代などで各藩に金銭的負担がのしかかる中、鍵を握ったのは金主との信頼関係や交渉力だったと語った。

加えて労働人口確保のための養育費を出し、学問など文化政策にも尽力した共通点のある3藩。発言者からは「人々の総合的な力が生き抜くパワーになった」「突き詰めれば民の力」などの意見が出た。金銭で解決できる豊かな現代だからこそ、文化や自給自足、信頼関係の重要性を再認識していた。

基調講演では加藤さんが鷹山の藩政改革を考察。金主からの借金額や減債協力までの流れを説明した。改革の成功要因を六つに分類し、農民に低利で金を貸し出す「勧農金」をつくった経緯などを紹介した。

米沢・朝倉交流会(北村正敏会長・S41卒)などが主催。約300人の参加者が熱心に聞き入った。

2022年10月24日山形新聞より