吾妻屋主人の安部直人さんと滝見屋若女将の安部里美さん(H10卒)に目録が手渡された=米沢市・置賜総合文化センター

昨冬の豪雪や、今年2度の豪雨で被害を受けた米沢市の秘湯、大平温泉と新高湯温泉を支えようと、7月から行われた災害復興支援に国内外から437万7501円が集まり、20日、同市の置賜総合文化センターで贈呈式が行われた。募金の窓口を担った米沢観光コンベンション協会から、温泉宿の関係者が目録を受け取り、深い感謝の思いを語った。

大平温泉滝見屋は昨冬の豪雪で建物の柱が損傷し、2度の豪雨で源泉のパイプが流出、露天風呂に土砂が流れ込んだ。新高湯温泉吾妻屋は宿に続く私道に土砂が流入した。二つの宿は営業を再開しているが、被害箇所の全面復旧は来年以降になるという。

同協会や米沢商工会議所、山形銀行、市などが一体になり寄付を募った。地域住民や、全国各地の温泉ファン、台湾、アメリカ、イギリス、タイ、シンガポールなどからも善意が寄せられた。

贈呈式では、滝見屋若女将の安部里美さん(H10卒)が「(宿を畳んで)山を下りる時がきたと覚悟していた。たくさんの支えで温泉が成り立っていると実感できた。営業を続けて恩返ししていきたい」と涙を浮かべながら感謝を述べた。

2022年10月21日山形新聞より