完成した冊子を手渡す伊藤義隆会長(右から2人目・S41卒)=川西町役場

川西町文化財保護協会(伊藤義隆会長・S41卒)は、町内の未指定文化財を収録した冊子「地域に伝わる文化財」を発行した。協会の設立40周年記念事業として、2022年度から2年にわたる調査内容をまとめた。

町内7地区ごとに編集委員や協力者らが、文化財をリストアップした。江戸時代の力士小汐山(玉庭地区出身)が江戸での取組に勝利して米沢藩から賜った化粧まわし、中世に軍事拠点となった山城、神社に残る絵馬など多彩な内容を盛り込んだ。

冊子の表紙にも採用した両皇大神宮(同地区)の絵馬は、藩校・興譲館での学問や剣術を習得する様子を描いたと伝わる。藤田宥宣編集委員長は「五穀豊穣や良縁を願う絵馬は多いが、学びの様子を描いた絵馬は珍しい」とし「農地が限られている土地柄、子どもたちが出世の才覚に恵まれるように祈願したのだろう」と解説する。

伊藤会長らが11日に町役場を訪れ、原田俊二町長に完成を報告した。伊藤会長は「多くの人に協力してもらい、充実した内容に仕上がったと自負している」と述べた。

500部を作り、町立図書館や各交流センターに配布する予定。問い合わせは同協会0238(44)2843。

2024年4月13日山形新聞より