長井市の長井高(青柳敦子校長)の1年生175人を対象とした講演会が16日、同校で開かれ、洞松寺(同市)の小野卓也住職(H4卒)が、仕事と生活のバランスが取りやすい地元で幸福度が高い人生を送る魅力を説いた。
小野住職は仕事と子育てを両立する「イクメン住職」として知られ、県男女共同参画推進員や市人権擁護委員、市婚活サポート委員などを務める。ボードゲームジャーナリストとしても活躍し、昨年は本紙(山形新聞)「日曜随想」の筆者を務めた。
「ジモニティー(地元で生活する人)にとってのワークライフバランス」と題した講演で、小野住職は大学卒業後、地元に戻って求職すると、自治体職員や教員、家業継承など選択肢こそ少ないが、どの仕事も創造的でやりがいがあると指摘。一方、生活面では知人の多さが強みで「地元の方が自分らしさを出しやすく、やりたいことができる」と述べた。
また、子育ての経験から、男女とも家事がひと通りできる有効性を強調。学業については「すぐ役立つ知識はすぐ役立たなくなる。学んだことはいつか役立つ」と激励した。「地元愛は幸せの源になる。県外の進学先で多様な価値観を理解し、地元に戻ってきてくれたら、周囲に頼られる存在になるだろう」と話した。
講演会は、進学校の高校生を対象に地域で働く意義などを伝える事業の一環で、県置賜総合支庁と同校が共催した。
2021年9月20日山形新聞より