夕日に染まる水田など県内の風景を題材にした作品を紹介する沖津信也さんの個展

米沢市の洋画家沖津信也さん(73・S41卒)の個展「奥の細道と神秘の絶景」が18日、山形市の県芸文美術館で始まった。風景や周囲の人々との対話を重ねて生み出した作品を紹介し、初日から多くのファンが詰め掛けた。25日まで。

沖津さんは日展会友で、画業53年を迎えた。県内外の風景を写実的に捉え、その空気感を再現しようと現地で筆を握っている。描く際は松尾芭蕉の俳句や真壁仁の詩を思い浮かべ「句や詩を咀嚼し、目の前の大自然の生命力に感動する。それが色彩や形ににじみ出てくる」と話す。

出品作は約100点で、最上川や蔵王、白布大滝など県内の自然を題材にした作品が多く、富士山や松島(宮城県)を描いたものもある。水の流れや木漏れ日を緻密なタッチで表現している。大作のうち、丸池(遊佐町)を描いた作品は光を、元滝(秋田県にかほ市)をテーマにした作品からは音を、それぞれ感じてほしいという。

新型コロナウイルスの早期収束を願い、一部をチャリティー販売し、収益を医療従事者支援に充てる。

2021年9月20日山形新聞より
沖津さん(左から3人目)らがテープカットを行い、開幕を祝った=山形市・県芸文美術館