来場者に作品を解説する沖津信也さん(S41卒) =仙台市

米沢市の洋画家沖津信也さん(74・S41卒)の個展「奥の細道とみちのくの絶景」が1日、仙台市の仙台三越本店で始まった。松尾芭蕉がたどった光景、東北の名所を題材にした約70点の作品は、どれも写真のような精緻さが光る。

夕日に照らされる松島、荘厳にそそり立つ羽黒山五重塔など臨場感あふれる作品が目を引き、妖しく緑色に光る丸池(遊佐町)は神秘的な趣に満ちている。小国町の渓流を描いた100号の大作からは、早春のすがすがしさが伝わってくる。

日展会友で画業54年を迎えた今も、山や滝に分け入る現地取材を欠かさない。「自然光をいかに捉えるかがポイント。歴史と風景との対話を通し、写実の美を求めてきた」と沖津さん。会場には現地の模様を収めた動画を放映中で、作品と見比べてその高い写実力を実感できる。

7日まで。仙台での個展は隔年開催していたが、新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。チャリティー展として、売上金の一部を医療関係者の支援に充てるという。

2022年6月2日山形新聞より