JR東日本が、同社通販サイト「JRE MALL(モール)」の海外展開に関する実証実験を始め、第1弾で米沢織や笹野一刀彫など米沢市の地場産品を特集している。観光まちづくり会社のプラットヨネザワ(米沢市、宮嶋浩聡社長・H15卒)が商品の選定、撮影などを手がけた。地場産品を通して地域の魅力を発信し、インバウンド(訪日客)獲得にもつなげたい考えだ。
米沢織、笹野一刀彫など140点を発信
特集では、米沢織のストールや名刺入れ、原方刺し子のコースター、相良人形、笹野一刀彫など8事業者の約140点を発信している。プラットヨネザワと作り手が連携し、海外でも目を引くような写真と、作り手の思いや歴史的な背景を紹介している。
実証実験は、JR東日本グループと海外販売の支援事業を展開するジグザグ(東京)が先月下旬に始めた。228の国と地域での販売に対応する。第1弾は3月末までの予定で、米沢市のほか、群馬県みなかみ町を取り上げている。
JR東日本スタートアップの担当者は、米沢を選んだ理由について、山形新幹線で首都圏からの所要時間約2時間の利便性や、自然、温泉などの観光資源を挙げ、「魅力的な地域産品が多く、旅行につなげられる可能性がある」とする。実証結果を踏まえ、事業化を検討する。
事業の一環で今月1日から、台湾・台北市のホテルで一部商品を展示している。高価格帯の客室利用者のみが利用可能なスペースで紹介し、オンライン購入にも対応する。宮嶋社長らが台北での記者発表に同席し、刺し子の実演などを行った。現地メディアの反応は上々だったという。宮嶋社長は、米沢の地場産品を知り、買い求めることを契機に「(米沢を)訪れる流れをつくりたい」と話している。
2023年2月14日山形新聞より