米沢ものづくり振興協議会販路開拓支援員 髙橋洋さん(64・S52卒)
「自称“走るマッチングアプリ”。高い技術力、売り込みたい」

米沢ものづくり振興協議会販路開拓支援員の髙橋洋さん(64・S52卒)=米沢市下花沢3丁目=は、廃校の机をアウトドア製品に再生するなど、ユニークな視点で市内企業の挑戦を後押しする。米沢の実力や展望について聞いた。

-販路開拓支援員とはどのような仕事ですか。

「米沢でものづくりをする中小零細企業の販路開拓をサポートしています。金型部品メーカーの営業職として米沢を起点に全国を飛び回っていた経験を生かし、米沢の技術力を県内外の企業に売り込み、引き合わせています」

-これまでの実績を教えてください。

「2020年4月に現職に就きました。初年度には市内の170社近くを訪ね、各社の技術を知るところから始めました。マッチングした件数は20年度は約50件、21年度は55件、22年度は80件ほどです。米沢の企業をドローンや電気自動車(EV)、医療機器など、成長が見込める分野を手掛けるメーカーにもつないできました。

-アウトドアへの展開も積極的ですね。

「米沢興譲館高生時代からキャンプが好きでした。廃校の机を利用したテーブルのように、アウトドア用品メーカーと米沢の企業を結びつけ、製品化しています。モンテディオ山形のグッズに採用された例もありますよ。米沢にはBtoB(企業間の取引)中心の企業が多く、一般消費者向けのオリジナル製品もつくりたい-との思いを具現化することにもなっています。私はたき火と芋煮が好きで、『たき火トーク芋煮会』と題し、さまざまな業種の人が交流するアウトドアイベントを開いています。モンテの米沢織のフォーマルウェアなど、そこで仕事が生まれることもあります」

-米沢のものづくりの可能性、今後の展望を教えてください。

「米沢の企業は元々技術力が高く、今も生き残っているのは、自らの得意分野を磨き上げてきたところです。私は『走るマッチングアプリ』を自称しており、そうした企業の力をもっと多くの人に知ってもらいたいです。『米沢のためになるか』『自分がわくわくするか』を基準に、今後も取り組んでいきたいです」

2023年4月9日山形新聞より