上杉鷹山の藩政改革の理念や担い手について解説した千葉大の小関悠一郎准教授(H8卒)=米沢市・伝国の杜

米沢の歴史や先人の業績を学ぶ「鷹山公シンポジウム」が27日、米沢市の伝国の杜置賜文化ホールで開かれ、千葉大の小関悠一郎准教授(H8卒)が「上杉鷹山の改革を支えた人々ー『富国安民』の政治を担った実務者たち」と題して講演した。

小関准教授は冒頭、明治期に本県を訪れた英国人女性旅行作家イザベラ・バードらが記した、置賜地方の豊かな農村集落をたたえた記述を引用。鷹山の治世により、幕末、明治維新以降も評価される経済的繁栄と領民の精神性の基本が作られたとの認識を示した。

また、鷹山の藩政改革を担った実務者として、農村の立て直しや殖産政策などを担った藩の役職「郷村出役(ごうそんでやく)」を紹介。「郷村出役らが、改革の矛盾やあつれきを政策の現場で調整する困難な役割を見事に果たしていた」として、家臣団の働きが改革成功の一因だったと指摘した。

今年は鷹山の没後201年に当たることから「鷹山公没後200年記念」として開催。上杉鷹山公と郷土の先人を顕彰する会(小嶋弥左衛門会長)が主催し、32回目。

2023年8月28日山形新聞より