水難防止へ「今後も機会設けたい」
子どもたちが水難に遭いませんように―。高畠町糠野目の星忠徳さん(64・S55卒)の自宅で、地元に残る「カッパのわび証文」を仏間に掲げ、地域の子どもたちの安全を願う仏事が行われた。かつて川遊びの前に証文を拝んだとの話が伝わっており、星さんは「これからも地域を見守って」と静かに手を合わせた。
「カッパのわび証文」を拝む星忠徳さん(S55卒)=高畠町糠野目 証文は同地区にある不動院という寺院だった民家に保存されていた。5、6年ほど前に家主が亡くなり、行方が分からなくなっていたが、2年前の調査で見つかり、遺族が町に寄贈した。その調査に当時、町社会教育専門員だった星さんが関わっていた。
星さんは幼少期に証文を目にした記憶があり、父親や祖母から「拝んでから川遊びに行っていた」との話を聞かされていた。思い出の証文を、大人になった自身も拝みたいとの思いがあり、今回、所蔵する町郷土資料館から借り受けた。
星さんは20日、町内の金寿院の島津仁道住職(82)らを招き、調査に関わった人とともに、町で水難被害が起こらないことを願った。水の事故に注意が必要な夏を踏まえ、星さんは「これからも地域に残る証文にお祈りする機会を設けていきたい」と語った。
証文に付随したいわれ書きによると、1586(天正14)年、カッパが馬にいたずらして姿を消したことが始まりと記す。再び現れたカッパは僧に謝り、地元の子どもが水難に遭わないよう約束し、わび証文として置いていったと伝わる。証文は、同資料館で常設展示している。
2025年8月1日山形新聞より




