米沢織の生地でスケルトンバッグや札入れを開発した東北芸術工科大の学生ら=米沢市

繊維協と連携・バッグ、札入れ商品化

東北芸術工科大でデザインを学ぶ学生3人が、米沢繊維協議会(近藤哲夫会長・S55卒)と連携し、米沢織の新製品開発に取り組んだ。柔軟な発想で2商品を完成させ、米沢市の米織会館で販売している。米沢織関係者は学生のアイデアに可能性を感じ「今後も一緒に取り組みたい」と話す。

新製品は透け感のあるバッグの中にひと回り小さい違う柄のバッグを入れて使い、組み合わせによって変化を楽しめる「スケルトンバッグ」と、多彩な雉の表情を生かした札入れ。スケルトンバッグは紅花染めの生地も用いた。

開発したのはプロダクトデザイン科4年の小野未羽さん(22)、秋本美鈴さん(22)、3年の今野雅也さん(21)。同協議会が昨年度実施した周年事業の一環で、東京都内で開いた産地総合展会場の空間デザインも手がけた。新製品開発には昨年度から取り組み、和装、洋装の織元など6社が協力した。工場見学をした上で、学生がアイデアをまとめ、織元と話し合いを重ねながら商品化を目指した。

札入れを制作した今野さん、スケルトンバッグを手がけた小野さんは「生地や柄、透け感など米沢織の幅広さ、魅力を知ることができた」と話す。

近藤会長は「学生は新鮮な視点でアイデアを出してくれ、新しいものができるという可能性を感じた。オープンファクトリーと絡めるなどとし、今後も継続したい」と話す。スケルトンバッグは3千~4千円。札入れは3850円で販売している。問い合わせは同会館0238(23)3525。

2024年3月26日山形新聞より