少子化で参加者減・20年超の歴史に幕

最後の教室で保護者らに感謝を込めて茶をたてる児童

米沢市の中部コミュニティセンター(吉田久美子館長)で20年以上続いた小学生対象の「茶道・礼儀作法教室」が幕を下ろした。これまで約450人が学んできたが少子化の影響で参加人数が減少したため、2日の最終発表会では、興譲小の児童6人が学んだ作法を実践し、保護者らに茶をたてた。

最後の教室で写真に納まる児童ら=米沢市・中部コミュニティセンター

元は週休2日制の導入に伴い、土曜午前の子どもの居場所づくりを目的に始まった。裏千家流の松田美智子さん(81)=大町4丁目、表千家流の益子光子さん(63・S55卒)=中央3丁目=が協力し、同コミュニティセンターで月に1、2度指導し、今年は6年生4人、5年生2人が学んだ。

水差しのふたの取り方やひしゃくの扱い方など、細かな所作にも気を配る児童ら。丁寧な所作で茶をたて、保護者らに提供した。6年川島大輝君(12)は「これまで経験したことがないくらい緊張した。美味しそうに飲んでもらえて良かった」と話していた。

最後の発表会を終え、児童、指導者はともに寂しさを語った。1年生から参加してきた6年大場みつなさん(12)は「先生が優しく教えてくれて楽しく続けられた。終わるのは寂しいけれど、経験はみんなの中に残っている」と話し、益子さんは「茶のお点前以上に、準備や片付けに積極的で思いやりのある子どもに育ってくれた。これからの生活に生かしてほしい」と呼びかけた。

2024年3月6日山形新聞より