完成したつり橋を渡る登山客ら=米沢市・滑川温泉福島屋

米沢市にある東北有数の名瀑(めいばく)「滑川大滝」へ続く長さ約20メートルのつり橋が架け替えられ、滑川温泉の一軒宿「福島屋」で5日、開通セレモニーが行われた。日本の滝百選にも名を連ねる落差約80メートル、幅40メートルの滝を以前よりも手軽に眺めることが可能になった。

つり橋は約60年前に架けられ、同宿が所有・管理していたが、老朽化で崩落する危険があり、2015年から通行禁止となった。このため、滝を見に行くには時間がかかるルートに変更せざるを得なかった。アクセス道の復活を期して昨年、クラウドファンディングを実施。全国の約400人から善意が寄せられ、約460万円をかけ新たなつり橋を整備した。

セレモニーには市や観光関係者ら約10人が参加した。同宿の笹木雅生専務(41・H12卒)は「たくさんの支援を頂き、みんなから愛される滝だと実感した。米沢の山岳観光を盛り上げていきたい」とあいさつ。安全祈願の神事に続いてテープカットで開通を祝った。

開通後、待ちわびた登山愛好家が展望台まで向かった。約20分かけて登った先で巨大な岩肌を滑り落ちる滝を観賞し、感嘆の声を漏らしていた。

2022年7月6日山形新聞より
大滝展望台から見える滑川大滝=米沢市大沢