雲井龍雄像のイメージ図を手にする屋代久理事長(S47卒)=米沢市

山形新聞社は3日、クラウドファンディング「山形サポート」のプロジェクト「雲井龍雄の銅像が立つ日(雲井龍雄銅像建立プロジェクト)」(米沢市、NPO法人雲井龍雄顕彰会)の資金募集をホームページで始めた。

雲井龍雄(1844~71年)は幕末から明治にかけ活躍した米沢藩士で、江戸の学問所で全国に人脈を広げた。戊辰戦争では薩摩藩を批判する「討薩檄」を著して、奥羽越列藩同盟の士気を高めた。没落した士族の救済を図ったことが反政府挙兵と見なされ27歳で斬首された。国の将来を思い、自らを貫く生き方は、自由民間運動などに取り組んだ明治以降の若者にも影響を与えた。

その生きざまを後世に伝えようと、NPO法人雲井龍雄顕彰会(屋代久会長・S47卒)が、雲井の墓がある同市の常安寺内に、2023年春の銅像建立を目指している。没後150年の21年に建てる計画だったが、新型コロナウイルス禍で延期となっていた。

銅像は雲井の身長に近い高さ約160センチ。上杉神社内の「天地人像」を作った福島大の新井浩教授が手掛ける。銅像周辺に配置したQRコードをスマートフォンで読み込むと、雲井に関する説明が音声、イラスト付きで見られる仕掛けも施す。屋代理事長は「雲井は常に国を守るためにどうすればよいか考え、地行同一を信条に行動した。こういう男がいたことを知ってもらいたい」と話している。

事業費600万円の一部をクラウドファンディングで募り、目標は100万円。支援額に応じて銘板に名前を記載、オリジナルイラスト入りクリアファイルや缶バッジを贈る。募集期限は12月1日。

山形サポートはほかに2件の支援も募っている。問い合わせは山形新聞DX推進部。023(622)5265。

2022年10月4日山形新聞より

山形サポートウェブサイト