パーテーションなど受注生産

米沢織の技術を生かしたパーテーション=米沢市

米沢織の老舗で主に洋服生地を手がける安部吉(安部吉弘社長・S57卒)がインテリアの新ブランド「織美装(おりびそう)」を立ち上げた。得意としてきたファーマル服の需要が減る中、新分野を開拓する。高い織りの技術を生かし、パーテーションやブラインドをオーダーメイドで売り出す。

同社は1905(明治38)年に創業し、はかま生地を製造してきた。徐々に冠婚葬祭を中心とした女性用フォーマル記事の製造が増え、現在は国内外の高級ブランドと取引している。インテリア分野への挑戦は新型コロナ禍中の2年前から模索。国の事業再構築補助金を活用し、試作品の製作などを進めてきた。

新ブランドで売り出すのはパーテーション、ブラインド、引き戸やふすまに使える扉など。生地の繊細な柄や光沢により高級感が出ることに加え、風通しがよく柔らかい空間を演出できるという。アパレルメーカーの要望に応じ、多種類を少量ずつ生産してきた経験を生かし、インテリア部門でも素材や柄を含め、オーダーメイドで対応する。

若月木工所(米沢市)と連携して製品を試作し、東京都内で6月中旬に開かれたインテリアライフスタイル展に出品したところ、パーテーションを中心に引き合いがあった。オーダーメイドのため価格は生地や大きさにより異なるが、絹を使った幅180センチ、高さ165センチのパーテーションで15万円程度を見込む。

安部社長は「地元のレストランや旅館などでも使ってもらい、米沢、米沢織のPRにもつなげていきたい」と話す。問い合わせは同社0238(23)4674。ブランドのウェブサイトはhttp://oribisou.ab-tex.jp/

2023年7月26日山形新聞より