新会社「加茂川」の酒造り開始を前に、業務の安全を祈願する関係者 =白鷹町鮎貝

白鷹町鮎貝の老舗「加茂川酒造」の経営悪化に伴い、醸造事業などを引き継いだ新会社「加茂川」(小島一晃社長・H16卒)による新たな酒造り開始を前に24日、祈祷式が酒蔵で行われ、関係者が業務の安全を願った。

15人が出席し神事に臨んだ。小島社長は、加茂川酒造で造っていた(水の代わりに酒を使って仕込む)貴醸酒などの継承に意欲を見せ「地元の人に誇りに感じてもらえる酒蔵を目指す」と決意を述べた。

新会社は酒類卸業「小島洋酒店」(米沢市・小島長五郎社長)が主な出資者となり昨年6月に設立。酒蔵の土地や建物、酒造免許、商標、従業員を引き継いだ。酒造り開始は来月上旬を予定している。新たな杜氏として、加茂川酒造で酒造りに関わった経験があり、近くで酒類小売「ヤマシチ商店」を営む鈴木広貴さん(51)を迎えた。

加茂川酒造は1741(寛保元)年創業。「加茂川」「久保桜」などの銘柄を市場に送り出したが、近年は日本酒離れが影響し売り上げが低迷した。新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、債務を残し清算することになった。今年1月24日に地裁米沢支部から破産手続き開始決定を受けた。

2022年3月25日山形新聞より