桑名園本店が販売する高畠石を使った小物=米沢市・桑名園本店

茶や雑貨販売などを手がける桑名園本店(米沢市、井上茂社長・S48卒)が、高畠町特産の高畠石を使った一輪挿しやコースターの販売を始めた。130年以上の歴史がある同本店の蔵にあった敷石を再利用し、温かな風合いの製品に生まれ変わった。

高畠町内にあった蔵は明治時代初期に造られ、道路の拡張工事に伴い2003年に解体された。工事の際、蔵の敷石に使用された高畠石が大量に出てきたという。同社はこの資源を生かそうと、米沢市と山形市で展開する店舗「茶蔵(さくら)」の庭の敷石に活用した。

一方、使い切れなかった縦45センチ、横30センチ、長さ1.8メートルの敷石約100本は敷地に残ったままになっていた。井上社長は活用法を模索する中で、同級生で皆川石材店(高畠町)の皆川均社長に相談し、生活雑貨への再利用を決めた。

製作したのは7種類で箸置き(小)440円、コースター880円、一輪挿し4180円など。茶蔵米沢店、山形店の他、道の駅米沢、県観光物産会館ぐっと山形(山形市)などで購入できる。井上社長は「とても趣のある生活小物になった。自然の素材が持つ温かさと風合いを楽しんでほしい」と話している。

高畠石

高畠町で江戸時代後期から2010年まで切り出しが行われていた凝灰岩。「ミソ」と呼ばれる粘土鉱物が年月をかけて石から抜け落ち、無数の穴ができるのが特徴。町内の旧高畠駅舎や住宅、石鳥居などに使われている。

2023年1月12日山形新聞より