コロナ禍痛手、双方盛り上げ「ご当地落語」評価
小野川温泉を題材にした落語をオンラインも活用して披露する落語家。コロナ禍での新たな取り組みが評価された。=2021年11月、米沢市・小野川温泉

全国の温泉地活性化を目的にする「温泉総選挙2022」の結果が公表され、本県からは小野川温泉(米沢市)が審査員特別賞に選ば れた。新型コロナウイルス禍で痛手を受けた温泉地と落語界を盛り上げようと実施した「ご当地落語」の取り組みが評価された。

小野川温泉のご当地落語は、2021年11月に実施した。落語家4人が温泉街を歩き、地元住民に歴史や魅力などを聞き、3日間でネタに仕上げた。最終日には温泉街の旅館で寄席が開かれ、オンライン配信も行った。21~22年、赤倉温泉(最上町)や福島県、宮城県、長崎県の温泉街でも同様の取り組みが行われた。宿主が選んだ最優秀ご当地落語を動画投稿サイト・ユーチューブで公開している。

仕掛け人は小野川温泉登府屋旅館の遠藤直人社長(47・H6卒)。遠藤社長は元々落語が好きで、以前から宿泊者向けに落語会を開いてきた。ご当地落語はコロナ禍で客足が遠のく中、同様に打撃を受けていた落語家をサポートしつつ、温泉街の魅力を全国に発信しようと企画した。遠藤社長は「コロナで厳しい中だったが、新しい取り組みを生み出すことができ、評価を得られてうれしい。より広がってほしい」と話している。

総選挙は温泉関係者らでつくる「旅して日本プロジェクト」が主催し、各温泉地がエントリーし、インターネット投票などで順位を決める部門賞と、有識者による選考委員が取り組みを審査する省庁賞、特別賞がある。県内では他に、スポーツ・レジャー部門で蔵王温泉(山形市)が3位、健康増進部門で肘折温泉(大倉村)が4位に入った。

温泉総選挙2022結果(別サイト)

2023年4月1日山形新聞より