貸し切りサウナの完成イメージ図を手にする遠藤直人社長(H6卒) =米沢市

米沢市小野川温泉の登府屋旅館(遠藤直人社長・H6卒)が客室を貸し切りサウナに改装し、4月のオープンを予定している。豪雪地の温泉旅館ならではのサウナを目指し、長引く新型コロナウイルス禍を乗り切る一手にしたいとしている。

貸し切りサウナに改装するのは2階の1室約20平方メートルでカップルや夫婦で利用可能。シャワー、水風呂付きで、室内で横になれるスペースを確保する。利用者が熱した石に水をかけて自ら蒸気を発生させる「セルフロウリュ」式で、束ねた木の葉で体をたたく「ウィスキング」が体験できる。雪国の冬の厳しさを逆手に取り、外の雪に触れて楽しめる仕掛けも検討中だ。休館とする旅館が多い水曜をサウナを含めた日帰り入浴に特化し、温泉街のにぎわいも生み出す考え。

遠藤社長は1年前、サウナの魅力に目覚め、市内はじめ全国各地のサウナを巡った。その中で、米沢の冬の厳しさ、温泉旅館であることの強みを生かしたサウナをつくれるのではないかと考えたという。「温泉好きにはサウナの、サウナ好きには温泉の魅力を知ってほしい。寒い冬に耐える地元の人にとっても喜びを感じられる場にしていきたい」としている。

山形新聞社のクラウドファンディング(CF)山形サポートで資金を募り、目標は137万円。既に改装工事を進めており、費用の一部に充てる。

2022年2月13日山形新聞より