米沢市名誉市民で民法学者の我妻栄の没後50年と記念館開館30周年記念事業が21日、同市の伝国の杜置賜文化ホールで開かれ法学者で東京大名誉教授の新堂幸司氏を招いた記念講演やパネルディスカッションが行われた。
民事訴訟法が専門の新堂名誉教授は我妻に直接指導を受けた。講演では、立法研究会に参加して論文の書き方などを教わったことなどを思い返し、「参加することができて非常に幸運だった」などと語った。
パネルディスカッションには、我妻栄の孫で東京都立大教授の我妻学氏、明治大大学院生の柿﨑聡汰氏(米沢市出身)も参加。我妻栄記念館の矢尾板操館長が司会を務め、人柄や功績を語った。原子力損害賠償で事業者がカバーしきれない分を国が補償すべきと考え、法制化に深く関わった我妻の功績について、新堂氏は「時代を見抜く力があり、国全体の行くべき道を冷静に見通していたと思う」などと分析した。
講演に先立ち記念館で、新たに完成した我妻栄の銅像がお披露目された。
2023年10月22日山形新聞より