南陽ワイン研修会=南陽市・上杉の御湯御殿守

ワインの里・南陽市の地位向上を目指す「南陽ワイン研修会」が24日、同市の旅館「上杉の御湯 御殿守」で開かれた。国内でも評価の高い南陽産ワインの原材料・ブドウの生育に、気候や土壌面などの栽培環境の視点から迫りながら、市外に向けたセールスポイントや歴史的認識を共有した。

地元産ワインに関する統一した知識を確立するとともに、ブドウの栽培から醸造に至るまでを学んでもらおうと、市ワインの里づくり委員会(須藤龍司会長、事務局・市商工観光課)が昨年8月に続いて開いた。ワイナリーや観光関係者、旅館従業員など約30人が参加した。

市内の結城酒店の結城秀人さん(S54卒)が講師を務め、原料の南陽産ブドウがおいしい理由をテーマに、気候や土壌について解説。ブドウの一大産地・甲州(山梨県)からの金掘り人足によって植えられたことがルーツとなっているという推察を紹介した上で、「日当たりや水はけがよく、昼夜の寒暖の差も大きいため、(南陽のブドウは)おいしさが際立つ。江戸時代から伝承された栽培技術の集積も、うまさの秘密」とアピールポイントを整理した。

また、今後の課題については「地域ブランドを明確化し、戦略的に販売を進めなくてはならない」とする資料を提示し、関係者に結束を促した。

2022年2月27日山形新聞より