昔ながらの町並みも残る米沢市の東町エリア

米沢市街地南部の「東町地区」のまちづくりの方向性について、民間と行政、学識経験者らが連携して議論する「東町プラットフォーム」の設立総会が12日、同市南部コミュニティセンターで開かれた。地区の将来像を示す「未来ビジョン」を年度内に策定し、具体的な取り組みにつなげたい考え。

米沢城の東に位置する東町地区は、現在の町名では大町と本町にまたがるエリア。市街地に近いものの、昔ながらの町並みが比較的残っている。今回は東町上通り町内会を中心にした約6ヘクタールを対象とし、活性化や魅力向上を図る。

取り組みを主導するのは、市内の若手経営者でつくるまちづくり会社の「ウコギ社」(小嶋健市郎代表・H11卒)。既にエリア内の空き家の活用などに着手しており、県内外の建築家や美術家との連携も進めている。市は、国の支援が受けられる「都市構造再編集中支援事業」を活用し、同社との連携による都市機能の維持増進などを図る。同地区の取り組みをモデルとして、市内他地区に広げることも目指す。

プラットフォームはウコギ社と市(吉田晋平建設部長)に加え、東町上通り町内会(小林秀一会長)、山形大(高沢由美工学部建築・デザイン学科准教授)、米沢信用金庫(荒井慎一郎本店営業部本店長代理)、観光まちづくり会社のプラットヨネザワ(宮嶋浩聡社長)の6者で構成。設立総会では小島代表を会長に選出し、未来ビジョン策定のための会議や勉強会や、シンポジウムの開催などの事業計画を決めた。山形大の建築・デザイン学科が本年度から米沢キャンパスに移転したことも踏まえ、地域住民や学生を広く巻き込んで取り組みを進めることも確認した。

小嶋代表は「東町は、米沢らしさや地域色が出せるエリアだと考えている。町に思いを持っている人が束になって取り組めるプラットフォームにしていきたい」と話した。

2022年5月20日山形新聞より